自身のWebサイトやブログの記事を作成しても、想定通りにGoogleの検索結果に表示されず、悩んでいる方もいるかもしれません。
この「インデックスに登録されない」という問題は、サイト運営において深刻な課題です。
この記事では、ページがインデックスされない原因を網羅的に解説し、インデックス状況の確認方法から具体的な解決策までを順序立てて説明します。
最初にインデックス状況を確認する2つの方法
ページがインデックス登録されていないと判断する前に、まずは現状を正確に把握することが重要です。
インデックス状況は、Googleが提供する無料ツールや、簡単な検索コマンドで確認できます。
これらの方法を用いることで、どのページがインデックスされていて、どのページが登録されていないのかを具体的に特定できます。
原因を究明し、適切な対策を講じるための最初のステップとなります。
Google Search Consoleでインデックス状況を調べる
Google Search Console（サーチコンソール）は、サイトのインデックス状況を最も正確かつ詳細に確認できる公式ツールです。
サーチコンソールにサイトを登録すると、「ページ」というレポート項目から、サイト全体のインデックス状況を把握できます。
「インデックス登録済み」と「未登録」のページ数がグラフで表示され、なぜ登録されていないのか、その理由まで確認可能です。
さらに、個別のURLを調査したい場合は「URL検査ツール」が役立ちます。
このツールに対象のURLを入力すると、そのページがインデックスされているか、もしされていなければどのような問題があるのかを具体的に知ることができます。
検索コマンド「site:」を使って簡易的にチェックする
Google Search Consoleを利用できない場合や、手早く状況を確認したいときには、検索コマンド「site:」が便利です。
Googleの検索窓に「site:ドメイン名」や「site:特定のページのURL」と入力して検索を実行します。
検索結果に該当のページが表示されればインデックスされており、何も表示されなければインデックスされていない可能性が高いと判断できます。
ただし、この方法はあくまで簡易的な確認手段であり、リアルタイムの正確な情報を反映しているとは限りません。
インデックスに登録されていないページの詳細な原因までは特定できないため、最終的にはSearch Consoleでの詳細な調査が推奨されます。
WebページがGoogleにインデックス登録されない10個の原因
インデックス状況を確認し、ページが登録されていない事実が判明した場合、その背景には様々な要因が考えられます。
単純な設定ミスから、コンテンツの品質、サイト全体の構造に至るまで、原因は多岐にわたります。
ここでは、インデックス登録されない理由として考えられる代表的な10個の原因を挙げ、それぞれについて解説します。
自身のサイトがどのケースに該当するのかを照らし合わせることで、問題解決の糸口が見つかります。
原因1：noindexタグでインデックスを意図的に拒否している
noindexタグは、特定のページを検索結果に表示させないよう検索エンジンに指示するためのメタタグです。
このタグがページのHTMLソースコード内にあるセクションに記述されていると、Googleはそのページをインデックスしません。
テストページや内容の薄いページなど、意図的に検索結果から除外したい場合に用いるものですが、本来インデックスさせたい重要なページに誤って設定されていることがあります。
特にWordPressのテーマやプラグインの設定によって、意図せずnoindexタグが付与されるケースも少なくありません。
ページのソースコードを確認し、もし不要なnoindexタグが見つかった場合は、その記述を削除する必要があります。
原因2：robots.txtファイルでクローラーの巡回をブロックしている
robots.txtは、サイトのルートディレクトリに設置し、クローラー（検索エンジンの巡回ロボット）のアクセスを制御するファイルです。
このファイル内で「Disallow」という記述を用いて特定のディレクトリやページへのアクセスを禁止していると、クローラーはそのページを巡回できないため、結果としてインデックスもされなくなります。
会員専用ページなどを意図的にブロックしている場合は問題ありませんが、サイト全体やインデックスさせたいページを誤ってブロックしている場合があります。
Google Search Consoleの「robots.txtテスター」などで記述内容を検証し、重要なページへのクロールを妨げていないか確認することが求められます。
原因3：Googleから手動による対策（ペナルティ）を受けている
Googleのウェブマスター向けガイドライン（品質に関するガイドライン）に著しく違反する行為がサイトに見られる場合、Googleの担当者によって手動による対策、いわゆるペナルティが課されることがあります。
ペナルティを受けると、サイトの一部のページやサイト全体がインデックスから削除されたり、検索順位を大幅に下げられたりします。
手動による対策の有無は、GoogleSearchConsoleの「セキュリティと手動による対策」という項目で確認可能です。
もし対策が実施されている場合、その理由が記載されているため、内容をよく読んでサイトの問題点を修正し、Googleに再審査リクエストを送信しなければなりません。
原因4：ページの品質がGoogleのガイドラインを満たしていない
Googleは、ユーザーにとって価値のある高品質なコンテンツを優先的にインデックスします。
そのため、ページの品質が低いと判断されると、クロールはされてもインデックスされないことがあります。
具体的には、他サイトからのコピーコンテンツ、自動生成された無意味な文章、独自の情報がほとんど含まれていないページなどが該当します。
これはSearchConsoleで「クロール済み-インデックス未登録」と表示される主な原因の一つです。
このエラーを解消するには、Googleの品質に関するガイドラインを理解し、ユーザーの検索意図に応える専門性や独自性のあるコンテンツへと改善することが不可欠です。
原因5：サイト内に内容が酷似したページが存在している
Webサイト内に、内容がほとんど同じか、極めて類似したページが複数存在すると、重複コンテンツとみなされる場合があります。
Googleはどのページを正規のページとして評価・インデックスすべきか判断できず、結果的に意図したページがインデックスされなかったり、評価が分散してしまったりするのです。
ECサイトにおける色違いの商品のページや、印刷用のページなどが典型例です。
この問題の解決策としては、重複するページを一つに統合するか、canonicalタグを使用して正規ページを明確にGoogleへ伝える方法があります。
これにより、検索エンジンからの評価を一つのURLに集約させられます。
原因6：canonicalタグによる正規URLの指定に誤りがある
canonicalタグは、重複コンテンツの問題を解決するために、評価を集中させたい正規URLを検索エンジンに伝える手段です。
しかし、このタグの設定を誤ると、意図しないページがインデックス対象外となってしまいます。
例えば、インデックスさせたいページAのcanonicalタグで、別のページBのURLを指定してしまった場合、ページAは正規ページではないと見なされ、インデックスされにくくなります。
また、サイト内の全てのページでトップページを正規URLとして指定してしまうといった実装エラーも存在します。
各ページでcanonicalタグが自身のURLを正しく指しているか、あるいは意図した正規ページを指しているか、ソースコードを確認して修正が必要です。
原因7：Webサーバーにエラーが発生し正常に表示されない
Googleのクローラーがページにアクセスした際、サーバーがダウンしていたり、5xx系のサーバーエラーが返されたりすると、ページの内容を正しく読み取ることができません。
このようなサーバーエラーが一時的なものであれば、クローラーは時間を置いて再訪問しますが、頻繁に発生したり長時間続いたりすると、そのページはインデックスされなくなったり、インデックスから削除されたりする可能性があります。
サーバーの安定稼働はサイト運営の基本です。
GoogleSearchConsoleの「ページ」レポートでサーバーエラーが報告されていないかを定期的にチェックし、エラーが多発する場合は、利用しているホスティング環境の見直しやサーバー側の設定を調査することが求められます。
原因8：クローラーがまだページを発見できていない
Webサイトを新しく公開した場合や、新規ページを追加した直後は、Googleのクローラーがまだそのページの存在を認識していないためにインデックスされていないだけの可能性があります。
クローラーは膨大な数のWebページを巡回しているため、新しいページが発見されるまでにはある程度の時間が必要です。
この状態は、GoogleSearchConsoleでは「検出-インデックス未登録」というステータスで表示されることがよくあります。
クローラーの発見を促すためには、XMLサイトマップを送信したり、サイト内の関連ページからリンクを設置したりすることが有効です。
しばらく待っても未登録の状態が続く場合は、他の原因を疑う必要があります。
原因9：サイトの専門性や評価が低くクロールの優先度が低い
Googleは、クロールに割くリソースを効率的に使用するため、重要度や信頼性が高いと判断したサイトを優先的に巡回します。
そのため、開設したばかりのサイトや、コンテンツの質・量が不十分で専門性が低いと見なされるサイトは、クロールの優先順位が低くなりがちです。
その結果、新しいページを公開してもクローラーの訪問が遅れ、インデックス登録されるまでに長い時間がかかることがあります。
この状況を改善するには、専門性の高い有益なコンテンツを定期的に追加し、サイト全体の品質と信頼性を高めていく地道な努力が求められます。
インデックスが遅いと感じる場合は、サイトの価値そのものを見直す良い機会かもしれません。
原因10：サイト構造が複雑でクローラーが巡回しにくい
サイトの内部構造が複雑すぎると、クローラーがサイトの奥深くにあるページまでたどり着けず、結果としてインデックスされないことがあります。
例えば、トップページから何度もクリックしないと到達できない階層の深いページや、どのページからもリンクされていない孤立したページは、クローラーに発見されにくい典型例です。
論理的で分かりやすいサイト構造を心がけ、全ての重要なページが数クリック以内で到達できるように設計することが重要です。
パンくずリストの設置や、関連するページ同士を適切に内部リンクで結ぶことで、クローラーの巡回性を高め、インデックスへのスムーズな反映を促します。
Search Consoleでインデックス未登録の理由を特定する方法
インデックスされない原因は様々ですが、Google Search Console（サーチコンソール）を活用することで、その具体的な理由を効率的に特定できます。
特に、サーチコンソール内の「ページ」レポートは、サイト全体のインデックス状況と、登録を妨げている問題点を詳細に把握するための強力なツールです。
このレポートの見方を理解し、表示されるステータスごとの意味と対処法を知ることで、問題解決への具体的な行動計画を立てられます。
「ページ」レポートでステータスごとの原因を確認する
Google Search Consoleの「ページ」レポートでは、サイト内のURLがなぜインデックスに登録されていないのかを、理由別に一覧で確認できます。
このレポートは「インデックス登録済み」と「未登録」のセクションに分かれており、後者の「未登録」部分に注目します。
ここには、「noindexタグによって除外されました」や「クロール済み-インデックス未登録」といった具体的な理由がリストアップされています。
それぞれの理由をクリックすると、該当するURLの一覧が表示されるため、どのページにどのような問題が発生しているのかを正確に特定可能です。
インデックスに登録されていないページ数の推移もグラフで確認でき、問題の傾向を掴むのに役立ちます。
「クロール済み – インデックス未登録」と表示された場合の対処法
「クロール済み-インデックス未登録」というステータスは、Googleのクローラーがページを発見し内容を読み取ったものの、インデックスするほどの品質や価値がないと判断したことを示します。
この場合、技術的な設定ミスではなく、コンテンツ自体に問題がある可能性が高いです。
例えば、他のサイトと内容が似通っている、情報量が極端に少ない、ユーザーの検索意図を満たしていないなどが原因として考えられます。
対処法としては、該当ページのコンテンツを全面的に見直し、独自性のある情報や新たな価値を加えてリライトすることが基本です。
品質を改善した後、URL検査ツールから再度インデックス登録リクエストを送信し、Googleに再評価を促します。
「検出 – インデックス未登録」と表示された場合の対処法
「検出-インデックス未登録」は、GoogleがページのURLは認識しているものの、まだクロールするに至っていない状態を表します。
この主な原因は、サイトのクロールバジェット（Googleがサイトの巡回に割り当てるリソース）が限られているため、クロールの優先順位が低くなっていることです。
サイト全体の評価がまだ低い場合や、サイト内に低品質なページが大量にあると、重要なページのクロールが後回しにされることがあります。
対処法としては、サイト全体の品質を向上させ、Googleからの評価を高めることが根本的な解決策となります。
また、内部リンクを最適化して重要なページへクローラーを誘導したり、低品質なページを整理したりすることも、クロールの効率化に繋がります。
インデックス登録をGoogleに促すための3つの施策
インデックスされない原因を特定してサイトを修正した後は、その変更をGoogleにできるだけ早く認識してもらうための働きかけが有効です。
ただ待つだけでなく、こちらから能動的にアプローチすることで、インデックス登録までの時間を短縮できる場合があります。
XMLサイトマップの送信、URL検査ツールからのインデックス登録リクエスト、そして内部リンクの最適化という3つの施策は、Googleのクローラーによる発見と評価を促す上で重要な役割を果たします。
XMLサイトマップを送信してページの存在を通知する
XMLサイトマップは、サイト内に存在するページのURLリストを検索エンジン向けに記述したファイルです。
これをGoogleSearchConsoleから送信することで、クローラーに対してサイトの全体構造とインデックスさせたいページの存在を網羅的かつ効率的に伝えられます。
特に、新規サイトやページ数が多いサイト、内部リンクが少なくクローラーに発見されにくいページがある場合に効果的です。
サイトマップは一度作成して終わりではなく、新しいページを追加したりURLを変更したりした際には、内容を更新して再送信することが重要。
これにより、Googleは常にサイトの最新状態を把握しやすくなります。
これはインデックス登録リクエストと並行して行うべき基本的な設定です。
URL検査ツールからインデックス登録をリクエストする
GoogleSearchConsoleが提供するURL検査ツールは、個別のURLのインデックス状況を診断するだけでなく、インデックス登録を直接リクエストする機能も備えています。
新しいページを公開した直後や、既存のページの内容を大幅に更新した際にこの機能を利用すると、Googleに対して優先的にクロールするよう促せます。
操作は簡単で、SearchConsole上部の検索窓に対象のURLを入力し、検査結果が表示された画面で「インデックス登録をリクエスト」ボタンをクリックするだけです。
ただし、これはあくまでクロールを促すリクエストであり、インデックスを保証するものではありません。
また、短期間に多数のURLをリクエストすることはできないため、特に重要なページに絞って利用するのが効果的です。
内部リンクを設置してクローラーの巡回を助ける
内部リンクは、同じサイト内のページ同士をつなぐハイパーリンクです。
クローラーはこれらのリンクをたどってサイト内を巡回し、新しいページや更新されたページを発見します。
そのため、インデックスさせたいページに向けて、関連性の高い既存のページから内部リンクを設置することは、クローラビリティを向上させる上で非常に有効です。
特に、すでに評価が高く、クロール頻度が高いページからのリンクは、新しいページの発見を早める効果が期待できます。
サイト内で孤立しているページがないように、すべてのページが他のページからリンクでたどれる状態にしておくことが基本です。
これはインデックス登録リクエストと同様に、Googleにページの重要性を伝える重要なシグナルとなります。
まとめ
WebページがGoogleの検索結果に表示されない問題は、noindexタグの設定ミスのような技術的要因から、コンテンツの品質、サイト構造の複雑さまで、多様な原因によって引き起こされます。
問題解決の第一歩は、Google Search Consoleを用いてインデックスの状況を正確に把握することです。
次に、「ページ」レポートなどを活用して「クロール済み – インデックス未登録」や「検出 – インデックス未登録」といったステータスから原因を特定し、それぞれに応じた対処を行います。
原因を修正した後は、XMLサイトマップの送信や個別のインデックス登録リクエスト、内部リンクの最適化といった施策で、Googleにクロールを促すことが可能です。
インデックスに関する問題への対応は、サイト全体の健全性を見直す機会にもなります。
