Google Discoverは、ユーザーの興味関心に合わせてコンテンツを表示する機能であり、Webサイトへの新たな流入経路として注目されています。
検索順位に関わらず多くのアクセスを獲得できる可能性があるため、効果的な対策を講じることはサイト運営者にとって重要です。
この記事では、Google Discoverの仕組みから、実際に掲載される確率を高めるための具体的な方法、そして掲載状況の確認方法までを網羅的に解説します。
Google Discoverとは?ユーザーの興味に合わせた情報が表示される仕組み
Google Discoverとは、ユーザーが検索行動を起こさなくても、Googleアプリやスマートフォンのホーム画面などで興味関心に合ったコンテンツを自動的に表示する機能です。
検索キーワードに基づいて結果を表示する「検索」とは異なり、ユーザーのWebとアプリでの行動履歴、位置情報、フォローしているトピックなどの情報に基づき、Googleのアルゴリズムがパーソナライズされたコンテンツを提案します。
これにより、ユーザーは自分でも気づかなかった新たな関心事に出会うことができます。
Google Discoverに掲載されると得られる3つのメリット
Google Discoverに自社サイトのコンテンツが掲載されることは、Webサイト運営において大きなメリットをもたらします。
検索エンジンからの流入とは性質が異なり、新たなユーザー層へのアプローチや、爆発的なアクセス増加の可能性を秘めています。
また、直接的なトラフィック増だけでなく、間接的なSEO効果も期待できるため、Discoverへの掲載を目指す価値は非常に高いと言えます。
ここでは、その具体的なメリットを3つの側面に分けて説明します。
検索順位に関わらず大量のアクセスを獲得できる可能性がある
Google Discoverの大きな特徴は、通常の検索結果の順位と直接的な関係がない点です。
そのため、SEOで上位表示されていない新規ドメインのサイトや、公開して間もない記事であっても、コンテンツの品質がGoogleに評価され、ユーザーの興味関心と合致すれば掲載される可能性があります。
一度掲載されると、いわゆる「Google砲」と呼ばれる現象が起き、短期間で非常に多くのアクセスを集めることがあります。
これは、特定の検索キーワードの需要に依存しない、新たなトラフィック獲得のチャンスです。
自社コンテンツのファンや潜在顧客にリーチできる
Discoverは、ユーザーが過去に閲覧したコンテンツの傾向から、興味を持つであろう情報を予測して表示します。
この仕組みにより、自社の商品やサービス、発信する情報テーマに潜在的な関心を持つユーザー層へ、効果的にコンテンツを届けることが可能です。
ユーザーがコンテンツを気に入り、Webサイトや特定のトピックを「お気に入り」に登録すると、以降も関連コンテンツが表示されやすくなります。
このように、まだ自社を知らない潜在顧客との接点を創出し、将来のファンを育成する機会となります。
サイテーションや被リンク獲得による間接的なSEO効果が期待できる
Discoverに掲載されたコンテンツが多くの人の目に触れると、SNSでの共有や、他のブログ・メディアでの言及が増える可能性が高まります。
その結果、自社サイトのURLが記載されたサイテーションや、外部サイトからの被リンク獲得につながることがあります。
被リンクはGoogleの検索順位を決定する重要な要素の一つであるため、Discoverからの流入をきっかけとしてサイトの権威性が高まり、間接的なSEO評価の向上に寄与します。
多くのユーザーに認知されること自体が、サイトの信頼性を構築する上でプラスに働きます。
Google Discoverからの流入を増やすための具体的な対策7選
Google Discoverへの掲載を100%コントロールすることはできませんが、掲載される可能性を高めるための対策は存在します。
基本的な考え方は、ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを提供し、その内容をGoogleに正しく認識させることです。
ここでは、コンテンツの作成方法から技術的な最適化、さらにはGoogleへの伝え方まで、実践すべき具体的な7つの対策を解説します。
これらの施策はサイト全体の品質向上にもつながるため、積極的に取り組むことが推奨されます。
Googleのコンテンツポリシーを遵守した記事を作成する
Google Discoverに掲載されるための大前提は、Googleが定めるコンテンツポリシーを遵守することです。
ユーザーに誤解を与えたり、不快感を与えたりするコンテンツは掲載対象外となります。
例えば、内容を誇張した「釣り」タイトルや、読者の興味を不当に煽るような画像の使用は避けるべきです。
また、危険なコンテンツ、欺瞞的な行為、ヘイトスピーチ、医療や金融に関する誤解を招く情報なども厳しく制限されています。
ユーザーに対して誠実で、信頼性のある情報を提供することが、Discoverに評価されるための第一歩となります。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を意識して品質を高める
E-E-A-TはGoogleがコンテンツの品質を評価する上で重視する指標で、それぞれ「経験」「専門性」「権威性」「信頼性」を意味します。
実際に製品を使用したレビューなどの実体験に基づく情報、特定の分野に関する深い知識、その分野の第一人者として認められていること、そして情報源が明確で正確であることが求められます。
情報が古いコンテンツは信頼性が低いと見なされるため、常に最新の情報に更新することも重要です。
これらの要素を高めることで、コンテンツの品質が向上し、ユーザーとGoogleからの評価も高まります。
ユーザーの目を引く高画質で魅力的な画像を選ぶ
Discoverフィードでは、コンテンツは大きな画像と共にカード形式で表示されるため、アイキャッチ画像の質がクリック率に大きく影響します。
ユーザーの視線を引きつけ、記事の内容に興味を持たせるような、高画質で魅力的な画像を選定することが不可欠です。
Googleは幅1200px以上の高品質な画像の使用を推奨しており、max-image-preview:largeというメタタグを設定して大きな画像が表示されるように最適化することも有効です。
コンテンツとの関連性が高く、内容を的確に表現する画像を用いることで、ユーザーのクリックを促します。
記事の内容がひと目で伝わる分かりやすいタイトルを付ける
Discoverのユーザーは何かを検索しているわけではないため、フィードを流し見している中で、瞬時に興味を引くタイトルでなければクリックされません。
記事を読むことで何が得られるのか、どのような情報が書かれているのかが具体的にイメージできる、分かりやすいタイトルを付ける対策が効果的です。
ただし、過度に扇動的であったり、内容と乖離していたりする「釣りタイトル」はGoogleのポリシーに違反するため、絶対に使用してはいけません。
ユーザーの好奇心を刺激しつつも、誠実で記事の内容を正確に表すタイトルを心掛けましょう。
話題性やトレンドを捉えた最新の情報を提供する
Google Discoverのfeedには、ニュース性の高い時事的なコンテンツや、世の中で話題になっているトピックに関する記事が表示されやすい傾向があります。
そのため、社会のトレンドや季節のイベント、業界の最新動向などをいち早くキャッチし、それらを自社の専門分野と関連付けたコンテンツとして発信することが、掲載の可能性を高めます。
常にアンテナを張り、ユーザーが今まさに求めているであろうタイムリーな情報を提供することで、Discoverのアルゴリズムに評価されやすくなります。
定期的な情報発信と鮮度が重要です。
構造化データを用いて記事の内容をGoogleに正しく伝える
構造化データとは、HTMLに特定の情報を追加することで、ページの内容を検索エンジンがより深く理解できるように手助けする記述方法です。
例えば、記事の著者名、公開日、更新日、発行元などの情報を構造化データとして設定することで、Googleはそのコンテンツが誰によっていつ書かれた、信頼できる情報なのかを正確に把握できます。
これにより、コンテンツの文脈が明確になり、Discoverのアルゴリズムが適切なユーザーに記事を推薦しやすくなります。
正しい設定は、コンテンツの信頼性を高める上でも有効です。
Googleにページがインデックスされるよう確実に申請する
どれだけ質の高い記事を作成しても、そのページがGoogleのデータベースに登録されていなければ、Discoverに掲載されることはありません。
記事を公開・更新した際には、GoogleSearchConsoleの「URL検査」機能を使い、Googleに対してインデックス登録をリクエストすることが確実な方法です。
また、サイト内の全ページのURLを記載したサイトマップを送信しておくことで、Googleのクローラーが新しいコンテンツを効率的に発見しやすくなります。
迅速なインデックスは、掲載機会を逃さないために不可欠です。
Discoverへの掲載状況を確認する2つの方法
自社サイトへの対策を施した後は、実際にGoogleDiscoverに掲載されているか、どれくらいの効果が出ているのかを確認することが重要です。
掲載状況や流入数を把握するには、Googleが提供する無料ツールを利用するのが一般的です。
PC上でこれらのツールを使えば、具体的な数値データに基づいた分析が可能です。
主な確認方法として「GoogleSearchConsole」と「GoogleAnalytics」の2つがあり、それぞれで得られる情報が異なります。
スマートフォン版のChromeで自身のフィードをチェックする方法もありますが、客観的な分析には向きません。
Google Search Consoleの「Discoverパフォーマンスレポート」で確認する
GoogleSearchConsoleは、Discoverからのトラフィックを最も正確に分析できるツールです。
サイトが過去16ヶ月の間にDiscoverで一定以上の表示回数を獲得すると、メニューに「Discover」という項目が出現します。
このレポートでは、Discoverにおけるページの表示回数、クリック数、平均CTR(クリック率)などの重要な指標を確認できます。
どのページがいつ掲載されたかといった詳細なデータも閲覧できるため、このレポートのデータを今後のコンテンツ戦略に活かすといった使い方ができます。
Google Analyticsの「参照元/メディア」で流入元を確認する
Google Analytics 4(GA4)を利用してDiscoverからの流入を把握することは可能です。GA4では「google / discover」として自動的に識別されることがあり、基本的な流入データは特別な設定なしに確認できる場合があります。
確認方法としては、「レポート」内の「集客」→「トラフィック獲得」へと進み、流入チャネルを確認します。その中で、「google / discover」といった参照元/メディアがあれば、それがDiscoverからの流入を示している可能性があります。ただし、GA4ではDiscoverからの流入が「(direct) / (none)」としてレポートされることもあり、他のダイレクトトラフィックと区別が難しい場合があります。
より詳細で正確なDiscoverからの流入データを確認するには、Google Search ConsoleのDiscoverレポートを利用することが推奨されます。Search ConsoleのDiscoverレポートでは、表示回数、クリック数、クリック率などの詳細なパフォーマンスデータを確認できます。流入後のユーザー行動を分析する際に、これらのデータが役立ちます。
Google Discoverに関するよくある質問
Google Discoverは比較的新しい機能であるため、その仕様や対策について多くの疑問が寄せられます。
例えば、特定の記事を意図的に掲載させるための直接的な設定はありませんが、Googleのコンテンツポリシーを満たし、インデックスされていれば表示対象となります。ただし、必ず表示されるとは限りません。一方、ユーザーが自身のDiscoverへの表示をオフにする設定は可能です。
ここでは、サイト運営者が抱きやすいGoogle Discoverに関する代表的な質問とその回答をまとめ、より深い理解を促します。
狙って掲載させることは可能か?
結論から言うと、特定の記事を100%の確率でGoogleDiscoverに掲載させるような直接的な方法は存在しません。
どのコンテンツを誰に表示するかは、すべてGoogleのアルゴリズムが自動で決定しています。
しかし、掲載される確率を高めるための施策はあります。
これまで解説してきたように、Googleのガイドラインを遵守し、ユーザーにとって価値のある高品質なコンテンツを作成し続けることが、結果的に掲載への近道となります。
狙って掲載させるのではなく、Discoverに評価されやすいサイト作りを心掛けることが重要です。
自分のサイトをDiscoverに表示させないようにするには?
基本的には、Discoverからの流入はサイトにとってメリットが大きいため、非表示にする必要はありません。
しかし、何らかの理由で特定のページ、またはサイト全体がDiscoverに表示されることを避けたい場合、技術的な設定で対応できます。
ページ単位で非表示にしたい場合は、そのページのHTMLのhead内に“というメタタグを記述します。
これにより、そのページはDiscoverだけでなく、通常の検索結果のスニペットなども表示されなくなります。
サイト全体への影響を考慮し、慎重な判断が必要で、安易な削除は推奨されません。
まとめ
Google Discoverからの流入を増やすためには、従来の検索順位を上げるためのSEOとは異なるアプローチが必要です。
特定のテクニックに頼るのではなく、ユーザーの潜在的な興味関心に応える、高品質で独自性のあるコンテンツを継続的に作成することが核心となります。
E-E-A-Tを意識し、Googleのコンテンツポリシーを遵守することは、その土台です。
画像やタイトルの最適化、トレンドの反映といった施策も、掲載の可能性を高める上で効果的です。
これらの取り組みは、Discover対策に留まらず、サイト全体の価値を高め、結果として間接的なSEOにも良い影響を与えます。


